【初心者向け】オートレースの基本ルールや反則|知識が10倍増えるかも?

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オートレースは、競馬や競輪、ボートレースなど他の公営競技に比べてルールが少し特殊です。

スタートしてゴールした順番を決めるのは同じですが、他の公営競技が実力伯仲の選手や馬同士が争うのに対し、オートレースは少し違います。

オートレースも競輪やボートレース同様、選手は細かくランク付けされています。

オートレースの場合は、S級・A級・B級とランク付けされていて、S級上位の選手ととても相手にならないようなB級の選手が普通に対戦するのです。

例えるなら、将棋の世界がわかりやすいかもしれません。

将棋の世界では、プロがアマチュアと対戦するときに、飛車角落ちなどのハンデを付けて戦います。

オートレースも同じで、弱い選手と戦う時には、対等に戦えるように強い選手は後ろからスタートする場所にハンデを付けての対戦になるのです。

この記事でわかること

  • オートレースのルールや基礎知識
  • 天候やハンデを考えて投票する意味
  • ルールや反則を知ると勝てる理由

選手は、開催レースであらかじめ自分のハンデが決まっています。
※開催レース途中で変更になることもある。

それ以外は、それほど複雑なルールはありません。

むしろ、オートレースが一番単純です。

この記事では、オートレースを始めるために最低限知っておきたいルールを中心に解説します。

オートレースに興味を持ったはいいけどルールがわからない

という人は、この記事を一通り読むことで、オートレースってどんな特徴があるのかザっとわかります。

初心者は、闇雲に投票しがちです。

しかし、根拠を持って考えて投票できれば必然的に勝率は上がるはずです。

中々、1つの記事に基本的なルールや覚えておきたい反則がまとめているようなものがありせん。

この記事には、大まかなルールや投票する前に知っておきたいことや知らないといえない反則などを把握できるようになっています。

ですから、読み終わるとすぐに車券を購入して楽しめます。

当然ながら勝率も上がるはずです。

同じようにスタート巧者を知ることも勝つことへの近道です。

目次

オートレースは基礎知識を知るだけで勝率は上がる公営競技

オートレースは基礎知識を知るだけで勝率は上がる公営競技

オートレースは、1周500mの傾斜角がついた楕円形のオーバルコースを、左回りで規定回数を走ってスピードを競う競技です。

8車立てがメインですが、朝から始まるアーリーレースや夜や深夜のナイトレースなどでは7車や6車立てもあります。

基本の周回は6周回ですが、大きなレースの決勝などになると8周回や10周回での対戦です。

まず、オートレースの基本的なルールについて解説します。

競馬や競輪、ボートレースのような難しい知識は必要ありません。

オートレースの車券を購入する上で必要な知識ばかりなので、ぜひ押さえておいてください。

基礎知識を知っているだけで、勝率は必ず上がるはずです。

試走タイムは手抜きができないない重要な指数

本番レースの前の試走は手抜きができない

オートレースでは、本番のレースの前に「試走」と呼ばれるものが行われます。

これは、競馬の「返し馬やバドック」、競艇の「展示航走」、競輪の「脚見せ・顔見せ」といった、ド素人が見ても参考にならないものではないのです。

オートレースの試走タイムは、レースの順位を決める最大で最も重要なデータになります。

試走タイムは、3周回模擬走行して最後の1周を全開で疾走し、1周500メートルのタイムを5で割った100メートルのタイムが試走タイムのことです。

実際に試走のタイムが本番のレースのタイムより遅ければ、「タイムアップ」という罰則もあるので選手は手を抜くことが許されません。

タイムアップ

3着以内に入着し、雨天等走路状況の変化又は相当の理由がなかったにもかかわらず、競走タイムが試走タイムより良かった場合は、その節及び次節のあっせん停止。

また、最近の平均試走タイムより遅すぎると再試走になります。
そして、その再試走が前のタイムより遅くなると失格になるので選手は必死です。
※斑走路や雨走路はタイムが違っても罰則なし。

繰り返しになりますが、天気が急変しない限り、本番直前の選手やマシンの調子を占える試走は、予想する上で最も重要なデータになります。

ハンデはその節ごとに変わることもある

S級上位者しかいない場合などではハンデがない0mオープンと10mオープンのオープンレースもあります。

10mオープンは若干若い番号にハンデが付いています。

しかし、オートレースは基本的にハンデ戦です。

一緒に戦う選手がゴールするときに、同じタイムになるようにハンデを付けて番組が組まれています。

ですから、ハンデがないと相手にならないS級上位の選手と新人のB級2級車でも同じレースで走ることができるのです。

ハンデはスタートライン(ゼロハンデ)から10mおきに、最大110mのロングハンデまで付けられることがあります。

同一ハンデの選手が複数人いる場合は、1番外側の選手が距離が不利なのでそのハンデの中では一応上位の選手です。

但し、新人の2級車がいる場合は、スタート力がない2級車は危険なので一番アウトコースになります。

試走タイムはハンデも考慮する

当然ながら、試走タイムは軽ハンデの選手のほうが悪いです。

大まかに試走タイムを計算する場合、10ハンデで0.01を加えていくと比較しやすいです。

例えば、ゼロハンデの選手が3.40の試走タイムだとして、最重ハンデ40の選手が3.36だった場合は、0.04を足し同タイムと計算します。

文章だとわかりにくいので、わかりやすいように表にしてみました。

スクロールできます
ハンデ試走タイムみなし試走タイム
①号車03.403.40
❷号車03.443.44
号車103.423.43
号車203.393.41
号車203.403.42
号車303.383.41
号車303.383.41
号車403.363.40

各ハンデ10メートルに対して0.01を加算するこの計算方法が、ファンの皆さんがやっている基本になります。

予想のベテランの方々は十人十色、熱走路やブチ走路、インコース・アウトコース捌くのが得意な選手などで独自の算出方法をしているようです。

当然ながら、スタートが上手い選手は先行できますよね。

オートレースは天候によって勝つ選手が全く変わる競技

オートレースは天候によって勝つ選手が全く変わる

オートレースは、他の公営競技以上に天候によって順位の予想が変わる競技です。

なぜかというと、晴れの走路と雨の走路では、まったく違ったレースになるからです。

大きく分けると、走路は3つに分類されます。

走路の種類状態
良走路(晴走路)晴れて乾いている
斑走路(ブチ走路)所々濡れた走路
湿走路(雨走路)雨で濡れた走路

雨に強い選手と雨で極端に弱くなる選手がいる

晴れの走路では、選手はコーナーをグリップ走行でタイヤの耐久性能まで攻めていきます。

しかし、雨になるとグリップがどこまで効くのかが明確ではなく、滑ってしまうのです。

S級上位の選手でも、雨が降ると極端に弱くなり、車券にかすりもしなくなることは良くあることです。

また、A級下位の選手でも雨になると最強になる選手など、天候は車券を買ううえで大事な指標になります。

雨が得意な選手の特徴

ではなぜ、選手によって雨の得意不得意が生まれるのでしょうか?

普通の良走路の場合は、コーナーリングではリアタイやを多少滑らせるさせるスライド走行です。

しかし、雨に濡れた走路では落車の危険があるのでグリップ走行ができません。

雨が得意な雨巧者の選手は、タイヤが滑るギリギリ寸前までの走行ができるのです。

雨が得意な選手がゼロハンデなどの軽ハンデにいると、コーナーリングが上手いので後ろからなかなか抜けなくなる場合が多くなります。

また、最重ハンデの強い選手で雨でも強い選手は、ガンガン攻めていけるので十分勝負になります。

予想サイトでも、晴れと雨の両方の予想がしてありますので、天候チェックは忘れずにしてください。

雨の日は外を周っている2級車の新人選手なども狙い目になることがあります。

天候での賭け方や雨巧者などもっと詳しく知りたい人はこちらの記事が役立つはずです。

真夏の熱走路は特殊な走路

真夏の熱走路は特殊な走路

灼熱の暑さの真夏の熱走路は、50度を超えるような路面温度になります。

走路温度50度を超えると「熱走路」です。

最近では、異常気象の影響で真夏でなくても熱走路になることが増えています。

熱走路になると、良走路でも違った見方をしなければいけません。

熱走路は、いろいろなことで判断できます。

熱走路の判断条件
  1. 公式の路面温度が50度を超える
  2. 良走路なのに重ハンデ選手の試走タイムが遅くなる
  3. 軽ハンデの選手を抜けなくなり前の選手が着に残るようになる
  1. 路面温度が45度を超えている。
  2. 試走タイムで、S級の最重ハンデの選手の競争タイムが3.40を上回っている。
  3. 前半戦で軽ハンデの選手が多く残っている。

3つのうち2つが入っていると熱走路と判断していいと思います。

熱走路になると、熱でタイヤの摩耗が早くなりグリップが利かなくなってしまうのです。

予想が難しいので熱走路は高配当が多く出るのも特徴です。

具体的な特徴としては、前を抜きにくくなるので、前残りが多くなります。

もっと詳しく知りたい人は、雨や熱走路での賭け方の基本的なことがたっぷりわかるこちらの記事をご覧ください。

雨でも関係なく強いS級上位選手でも、熱走路だと追えないこともよくあることです。

また、グリップが利かず抜きにくくなると、インを締めるのが得意(インベタ走行)な選手が残りやすくなるので配当的にも美味しい場合が多いです。

そして、抜きにくいとスタート巧者が有利になるので、スタート巧者は覚えておいてください。

オートレースの1級車と2級車の違い

オートレースは1種類のマシンで争う公営競技です。

しかし、エンジンには1級車と2級車の2種類あります。

  • 一級車の排気量約600cc(AR600)
  • 二級車の排気量約500cc(AR500)

その違いは単純です。

新人が2級車から始まる理由

選手登録したばかりの新人は、みんな2級車から始まります。

概ね、1年間は2級車でレースに参加することになるのです。

なぜ、最初は500ccなのかわかりますか?

答えは単純に、エンジンの排気量が小さいほうが、バイクを扱いやすいからです。

選手は、整備も含めて自分のバイクを管理します。
100cc違うだけで、整備も操縦も格段に扱いやすいのだそうです。

ですから新人は、最初の1年間2級車ですべてのことに慣れることから始まります。

基本的に、2級車の新人は基本的にゼロハンデからのスタートで、後ろから抜かれないようなレース展開になります。

最近では、37期の新鋭「浅倉樹良選手」のように2級車最重ハンデで湿走路でもインでさばけるバケモノも現れました。

2級車は1級車と違うコース取りで勝機を見いだす

1級車は、コーナーをタイヤも使いギリギリまで攻めて、コーナーの立ち上がりで全出力で立ち上がります。

しかし、パワーがない2級車で同じ走りをしても、立ち上がりのパワーで相手になりません。

排気量の違いは大きくて、絶対的なバワーが違うので急加速が難しく、同じ走行ラインを周回してもすぐに追いつかれてしまいます。

2級車には2級車なりの走り方があるのです。

急加速できない2級車は、コーナーでもスピードや回転数を落とさないように周回していきます。

コーナーで減速しないので、コーナーの立ち上がりで膨らんでしまいます。

一見、素人目にはロスだらけの大回りですが、ちゃんとした理由があるのです。

また、コーナーでも攻めないので、タイヤの減りが抑えられます。
レースが進んでもあまりタイヤが垂れずグリップ力がキープされるのも2級車の特徴です。

新人のマシンが実際に走る走行ラインの動画

実際に動画でコース取りを見てみると、言葉で説明するよりも理解しやすいと思います。

上の画像は、35期同期の①新井日和選手と❷佐藤励選手、新人の二人は2級車で同時に出走した、令和4年度川口市営、普通開催5月10日11Rの優勝戦の前、特別選抜戦のレースです。

実際に試合を見てみると、1級車の走行ラインとの違いが一目瞭然ですね。

ちなみに出走表はこちら。

新人のマシンが実際に走る走行ラインの動画
公式サイトより

2級車ハンデゼロの佐藤励選手が、トップの試走タイムからレースでも他車を引き離して勝利しました。

2級車で試走タイムトップも凄いので、単勝は100円の元返し。当然ながら配当的には大したことはなかったです。

このように、2級車の新人でも勝利できるのがオートレースの面白さです。

オートレースは7通りの方法で車券を購入できる

オートレースは7通りの方法で車券を購入できる

競馬をやったことがある人は、ほぼ同じ方法で賭けることができます。

ただし、オートレースには枠がないので枠連はありません。

複勝がない場合もありますが、オートレースは7通りの車券が購入できます。

スクロールできます
車券の種類確率(8車の場合)詳細
3連単336通り1着から3着までを順番通り当てる車券
3連複56通り1着から3着を着順に関係なく当てる車券
2連単56通り1着と2着を順番通り当てる車券
2連複28通り1着と2着を順番に関係なく当てる車券
ワイド28通り(3/28)3着までに入る2車を順番に関係なく当てる車券
単勝8通り1着を当てる車券
※複勝8通り(3/8)3着までに入りそうな1車を当てる車券

※複勝は公式や本場しか購入できません。

初心者の人は、どの種類を投票するか迷いますよね。

3連単は一番人気がある車券です。

しかしなかなか当たらない。

初心者の人でも当てやすい、2連単もレース展開によっては高配当も多いのでおすすめです。

初心者が車券を購入するときは当てやすさを優先

オートレースの面白さのひとつに、当てやすいことが挙げられます。

8車立てだと56通りです。

多いのか少ないのかは個人差もあります。

しかし実際に、試走タイムを参考にして2連単で賭けると当たる確率は高いです。

最初のうちは、3連単より2連単で当てる楽しさを味わってほしいので2連単をオススメしています。

トリガミにならないように直前オッズは確認しておく

トリガミにならないように直前オッズは確認しておく

また、オートレースは、優勝候補になっていそうなS級上位の選手の予選などは、ガチガチの本命が人気通りにトップでゴールすることも多いです。

そうなるともったいないのが「トリガミ」。

トリガミとは、当たっても賭けた金額以下になることです。

せっかく当たってもマイナスになっては意味がありません。

特に、現在2トップの青山周平選手や鈴木圭一郎選手が出場する一般戦の予選などはトリガミに注意が必要です。

一般戦は、開催しているオートレース場に所属している選手が中心の3日から5日間開催されるレースのこと。

予選では、いくらハンデをつけても実力が抜けているので、青山・鈴木両選手のレースは頭の2連単の倍率が、2倍や3倍ばかりになります。

同じ金額を一律に賭けて、1番人気がそのまま入線すると倍率が2倍ほどなので思いっきりガミってしまい、当たった意味がなくもったいないです。

トリガミ回避には1着を固定で3連単もあり

トリガミにならないようにするには、オッズの確認が不可避です。

鈴木圭一郎選手が出走するレースを例にとってみます。

令和4年度浜松市営 普通開催の初日の様子です。

浜松では地元の鈴木圭一郎選手が圧倒的な人気になります。
当然ながら、最終レースの最重ハンデ大外です。

鈴木圭一郎の出走表
ウィンチケットより引用

最終オッズを見てみましょう。

鈴木圭一郎選手の単勝オッズ

因みに、単勝オッズだと鈴木圭一郎選手は当たり前のように「100円元返し」です。

圧倒的に鈴木圭一郎選手一人に人気が集中しています。

次に2連単のオッズを見てみましょう。

2連単のオッズ

鈴木圭一郎選手の2連単

鈴木圭一郎選手からの車券がすべての種類、並んでいます。

この2連単を3番人気までをガミることなく賭けるなら、1番人気と2番人気には厚く賭ける必要があります。

それでは、予算600円で賭けてみましょう。

やり方はそれぞれですが、なるべくガミらないように賭けるにはこういう投票のしかたになると思います。

2連単掛け金配当
8-5(1番人気)300円600円
8-6(2番人気)200円500円
8-7(3番人気)100円550円

これだけ人気が一人に集中すると、3点を人気順に賭けると、どれが当たっても損するので賭ける意味がないです。

人気順だと、1点か2点に絞らなければがガミることになります。

それでは、2点に絞って賭けてみましょう。

2連単掛け金配当
8-5(1番人気)400円800円
8-7(3番人気)200円1,100円

因みに、この結果はこうなりました。

鈴木圭一郎選手が勝ち

ガチガチの本命1番人気で決まりましたね。

人気順に2点で賭けていたら、ガミることなく200円儲かりました。

どれが正解かはわかりませんが、このように一人飛びぬけて強い選手がいる場合、大本命の、鈴木圭一郎選手を敢えて1着から外すか、または、1位固定で3連単を狙わないと配当的にまったく旨味がありません。

知っていると有利?オートレースの代表的な反則

知っていると有利?オートレースの代表的な反則

以下では、オートレースにおける反則について解説します。

反則についての理解が深まれば、レースで審議になった理由などがわかるようになるので、ぜひ覚えておいてください。

なお、反則に関する規則は細かく定められており、全てを網羅するととても長くなってしまいます。

そのため、ここで紹介するのは実際のレースでよく問題となることを抜粋しました。

ほとんどの反則が、払い戻しの対象にはらないのであまり意味がないように思うかもしれませんが、一般的な反則を知ることでレースへの理解度が深まり、ひいては面白味も増します。

フライングは一度やると面倒になる反則

フライングは一度やると大変な反則


オートレースのスタートは、スタートライン手前の補助ラインに停止し、大時計がゼロになりスタートラインを超えておこないます。

大時計がゼロになる前にスタートするとフライングです。
オートレースの専門用語では、フライングのことを不適正発走ともいいます。

オートレースでは、一番多く見慣れた反則です。

体感的には、1日に1回あるかないかの確率かと思います。
2日遊べば1度は見る程度ですが、続くときは続くイメージです。

判定には、目測だけではなく赤外線を使用した専用のセンサーを使い客観的に判断されています。

フライングは、赤旗になり、1周回って再スタートになり、すぐに対象選手も発表される仕組みです。

実際フライングになったレース動画

これは、同時に何人もフライングになった珍しいパターンです。

そして、2度目も他の選手がフライングしました。

そうなると、温めていたタイヤも冷え事故が起こりやすくなり危険なのです。
この動画ではスタートのみですが、実際にこのレースでは落車事故がありました。

競艇のようにフライングになると、対象選手の車券が払い戻しされるわけでなく、スタートをやり直しされます。

ただし、フライングには厳しい罰則があるのでしないことに越したことはありません。

フライングの回数によっても罰則が違ってきますのでそれぞれについて説明します。

1回目のフライングのペナルティ

そのレースでの着順には影響されませんが、対象選手は決勝などへの勝ち上がりの権利を失ってしまいます

1度フライングをすると、次は失格です。
それ故に、その選手は慎重になるので好スタートは望めなくなります。

グレードレースの優勝戦(決勝)でフライングするとより厳しい罰則があり、次節に決まっていたレースすべて出場できなくなるほどです。

因みに、SG優勝戦(決勝)でフライングすると、その選手は次回の当該SGの出場権がなくなります。

ですから、2024年の日本選手権でSG初優勝した黒川選手は、フライングを犯したため次回連覇が不可能になったのです。

2回目のフライングのペナルティ

同じ選手が2回フライングをすると、その選手は失格となり絡んでいる車券は全額払い戻しになります。

普通開催の場合は、レースに参加できますが、次節以降に参加しても1日罰則で出場できなくなるのです。

また、グレードレースの場合はより厳しく、斡旋停止といって次節参加予定のレースに出れなくなります。

3回目以降のフライング

3回目も誰かがフライングをすると、一度ピットに戻され、再度車体検査を受けます。

なお、同じレースで何度もフライングがあるといつまでたっても次のレースに移ることができないため、同じレースで4回フライング等があった場合はそのレースは不成立となり全部の車券が払い戻しされます。

その他のフライングの罰則

フライングには、その他にも厳しい罰則が多いです。

例えば、開催9回中2回フライングや半年間で5回フライングで斡旋停止など、フライングには厳しい罰則が用意されています。

ですからフライングはしないに越したことがないのです。

内線突破や外線突破は審議対象になる

オートレースは、おわん型のオーバルリンクを周回して争います。

最重ハンデの選手が軽ハンデやゼロハンの選手を抜いていく醍醐味がオートレース魅力のひとつです。

しかし、なかにはインを締めてインコースから抜けない選手もいます。

後ろの選手が前の選手を捌く(抜く)には、後ろの選手はアウトコースから抜くか、アウトに振ってガードに来た前方選手のインを強引に開けさせてインコースから抜いていくのが基本です。

内線突破は、そのインコースに引いてある白線を超えてインコースから抜くことをいいます。

各コーナーのオートレース審判員によって、レース後に審議されます。

内線突破で失格になったレース動画

公式動画より

こちらの動画は、川口オートレース場での第46回GⅠキューポラ杯3日目第一レース、1号車小原望選手の第一コーナーでの内線突破の反則です。

とてもわかりやすい内線突破ですね…。

当然のように、失格になりました。

小原望選手内線突破で失格
公式サイトより

内線突破は、よく審議対象になる反則です。

回避地帯と呼ばれる場所を通過すると内線(あるいは外線)突破で反則失格となります。

ただし、通過したら全てが反則になるわけではなく、レースの状況をもとに反則か否かが判断されるのです。

前方の選手が強引にインに寄せてきて接触が避けられない場合など考慮されることもあります。

外線突破で失格になったレース動画

動画は、川口35期の「小椋華恋選手」がまだデビュー間もない新人のころに犯した外線突破の反則です。

新人さんの二級車だとアクセル全開で大回りするのでたまに反則になることがありますね。

とてもわかりやすくオーバーしちゃいました…。

動画で最初から再生するとレースの模様がみれ、どこで反則になったのかもわかります。

まだデビュー未勝利でしたが1番人気に推されていて、一応ゴール時点では車券に絡んでいたので、激オコの人もいたかもしれません…。もちろん失格になり本人が一番申し訳ない気持ちで悔しいでしょうけど。

因みに、小椋華恋選手は、ロードバイク出身で今でも当時のロード時代のプロフィールページやインタビュー記事が残っています。

弟さんは、言わずと知れたMoto2クラスの2024年チャンピオンで2025年からMotoGPに参戦するレーシングライダーの小椋藍選手です。

一般的には外線突破の反則は、大雨の湿走路で大枠ギリギリのコース取りをした場合やゴール手前でアウトに膨らんで起こることが多いです。

なお、内線突破や外線突破で反則になり着順に絡んでいたとしても返金されません。

周回誤認は重い罰則が科せられる

周回誤認は、まだゴールではないのにゴールと勘違いしてレースを中断してしまう行為です。

選手は、オートレースに関わる全ての人のために、スタートからゴールまで全力で走らなければなりません。

レース中に正当な理由なく減速等をした場合は、周回数の判断を誤ったとして失格となります。

鈴木圭一郎選手の珍しい周回誤認動画

2019年のGⅡ稲妻賞で、今や青山選手と人気も実力も二分する、鈴木圭一郎選手がまさかの周回誤認で失格になったことがありました。

周回誤認が起きたのはブルーフラッグが振られる最終周回目。

ピンクの8号車、鈴木圭一郎選手がやってしまいました。

最終周回には次の周回が最後のしるしであるブルーフラッグが振られているのですが、なかなかトップに立てない焦りでしょうかゴールと勘違いしたようです。

実況も「見たくなかったシーン」と伝えています。

当然のように、周回誤認で失格になりました。

鈴木圭一郎選手が周回誤認で失格

周回誤認の反則はとても厳しく、開催中の以降のレースの翌日からの参加が解除となり、次節及び次々節まで罰則休で出場できなくなってしまいます。

実際に、鈴木圭一郎選手も次の日の3日目から罰即休になりました。

周回誤認も払い戻しはありませんが、ひとつ間違えると八百長になってしまうので、周回誤認は返金してほしいと切実に思います。

反則妨害は審議対象になる

選手が実力を十分に発揮できるように、レース中の様々な妨害行為は禁止されています。

例えば、他の選手の競走車にぶつかったり(衝突)、他の選手の進路を狭めたりすると反則妨害です。

対象選手のせいで落車した場合、対象選手が反則妨害で失格になります。

記憶に新しいところでは、佐藤励選手が2024年日本選手権の準決勝で反則妨害で失格になりました。

動画や内容、筆者の感想などは下記の記事で紹介しています。

佐藤摩弥選手が反則妨害で失格になった動画

公式サイトより引用

最重ハンデの号車でスタート巧者の佐藤摩弥選手らしく好スタートを切り、第一コーナーから第二コーナー立ち上がるところで接触してしまいました。

素人目には、「佐藤摩弥選手よりも…」と思いますが佐藤摩弥選手が反則妨害で失格となりました。

佐藤摩弥選手が反則妨害で失格になった
公式サイトより

GⅠのキューポラ杯の初日にゼロ点なのは痛いですね。

当然ながら決勝までは残れませんでした。

反則妨害の妨害行為には、いくつかの種類があり、今回は「妨害の際に他の選手を落車させなかった場合」に該当すると思います。

次の日にも出場していたので罰則的には軽かったのかもしれません。
公式にある罰則の適用例によると規制日数が一日なので、次の開催に持ち越しされたのかもしれないです。

反則妨害も返金の対象にはなりません。

走路を塞ぐような落車は赤旗になる

何の問題もなくレースが終了すればいいのですが、必ずしもそうはいかないのが実情です。

問題が発生した場合は選手やレース観戦者にいち早く知らせる必要があります。

そこで振られるのが赤旗です。

赤旗は、レース中に事故が発生した場合や、レース後に反則審議を行う場合などに振られます。

なお、レースが中止になった場合は、すべての車券が全額払い戻しされます。

一般的な罰則や規制日数などはこちらの公式に掲載されています。

オートレースには暗黙のルールは存在する?

オートレースには暗黙のルールは存在する?

選手は、オートレース選手養成所で徹底的に「公正安全」を厳守することを教えられます。

ですから「公正」かつ「安全」に反する、不正や事故につながる行為には厳しい罰則が設けられています。

それを踏まえて、オートレースには暗黙のルールは存在するのでしょうか?

暗黙のルールで思い当たるふしは1つだけあります。

基本的にオートレースはアウトからしか抜いてはいけないルールがあります。

インでも捌いてるじゃん

そう思う人が大半ですよね。

ルール上は、前車のインに安全なスペースがあればインから抜いていいのです。

そのルールを踏まえて「2級車は1級車を抜く時は外からさばく。」
インから抜いてはいけないという2級車には安全処置のような暗黙のルールがあります。

これは、2級車(排気量500cc)は1級車(600cc)と比べるとパワーが圧倒的に劣っているためです。

上で紹介したように、非力な2級車は、回転数を落とさずに走行しないと1級車に対抗できないので、グリップを開けたまま大回りをしてスピードを落とさない走行しなければいけません。

とはいっても、どうしてもコーナーリングで前にいるスピードで勝る1級車の選手のインには入りずらくなるのです。
というか、遠慮して入れません。

一握りの上手な新人選手は、コーナーリングスピードを利用してインで捌くことができるのです。

2級車でも1級車をインから捌いてもいい場合は?

結論として「うまく安全に捌ける2級車は問題ない」のです。

上の画像は、伊勢崎の浅倉樹良選手が2級車でインもアウトも自在にさばいていく動画です。

2級車特有のコース回りでコーナースピードを落とさずに捌いていく様子がお分かりいただけると思います。

最近では、浅倉樹良選手だけでなく佐藤励選手も2級車で、前車のインが空いていると捌いていました。

結論として、安全さえ守られているなら、レースの範囲内での暗黙のルールはないのではないかと思っています。

勝負駆けのレースは微妙な問題

但し、これが暗黙のルールといえるのか微妙な問題はあります。

準決に残れるかどうかの勝負駆けの選手がいる場合に、予選通過が間違いない選手は調整に専念すると噂になる場合もあるとかないとか…。

勝負駆けの詳細はこちらの記事で解説しています。

そういった勝負駆け情報も織り込んで予想するのです。

勝負駆けをしなくても大丈夫な選手と勝負駆けの選手ではモチベーションが違います。

これが暗黙のルールかといえば微妙なところです。

というのも、まったく手を抜かない選手もいるからです。

ルールの範囲内なら、それほど暗黙のルールを気にする必要はないと思います。

まとめ

オートレースの基本的なルールなどについての記事は以上になります。

オートレースは、競馬や競輪、競艇などに比べて、ルールや予想要素も単純な公営競技です。

ルールを知ることは、オートレースの最初の一歩になります。

勝つための方法も、ルールを知らないと始まりません。

この記事を一通り読んで、全体的なルールを理解するだけで絶対に勝率は上がります。

投票サイトによっては、数千円分無料で試すこともできるのでぜひ挑戦してみてください。

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