
走路コンディションを制する者はレースを制す!
オートレースの予想をする上でポイントとなる重要な要素の1つは、走路コンディションです。
走路コンディションに影響するものといえば季節や天気。
例えば、夏の気温とともに走路温度が上がると、タイヤの食い付きに影響します。
また雨が降って走路が濡れると、湿走路となり車と一緒でタイヤが滑るようになります。
このように、走路コンディションはレース展開を大きく左右する大きな要素です。
今回は季節や天気の変化による走路コンディションへの影響と、それにともなうレース予想の注意点について解説します。
選手のランキングやスタート力といった個人の力量ばかりに目を向けていると、思わぬ落とし穴にはまることもあります。
間違った予想でお金をドブに捨てる前に、この大事な前提条件を知っておいてください。
走路コンディションと同じくらい大事な指標は、選手のスタート力だけでなくスタート巧者を知ることです。

夏の灼熱レースの「熱走路」での走路温度に注意


基本は軽ハンデ、忘れた頃にまた軽ハンデ!
それではもっとも気温が高い、灼熱の夏レースについて説明します。
走路温度50℃を超えると熱走路といいます。
YouTubeチャンネルだけでなく、各投票サイトの番組表にも走路温度は表示されているのでチェックしましょう。
熱走路となるとタイヤの消耗が激しくなり、後方にいる選手は前方の選手を抜かすことが困難です。
夏の熱走路では前残りが多くなる
夏では重ハンデ勢の追い込みが届かずに、軽ハンデ勢が比較的前残りする場合が多く見られます。
このことはオートレースの基本的なセオリーですので押さえておいてください。
もちろん軽ハンデ勢が標準的な試走タイムを出してくれれば、勝ったとしても配当は普通です。
しかし軽ハンデ勢が標準よりちょっと遅い試走タイムだったり、重ハンデ勢が好時計をマークすると盲点になりやすいです。
ちょっと穴目を狙いたい場合は、この点を覚えておいて損はありません。
冬の寒い時期のレースでは試走タイムや偏差が重要


冬は追い込み有利ながら試走しか出さない選手は要注意!
気温とともに走路温度が下がる冬は、基本的に追い込み有利となります。
走路が冷え込むほどタイヤの食いつきが良くなり、高速バトルが展開されます。
ゆえに日本選手権は11月、スーパースター王座決定戦は12月と寒い時期が定番。
また一般レースでは、ランキング最上位クラスの選手が同じS級選手のさらに10メートルうしろからスタートするという「スーパーハンデ」も冬の見どころの一つです。
冬レースでは「偏差」も気にして予想する
そうなると試走タイムがより重要になってきますが、試走だけにとらわれてはいけません。
試走タイムが良かったのに勝てなかった、しかも配当はそんなに荒れていない。
この場合は「偏差」という指標が悪い選手というのが考えられます。
偏差とは直近の平均試走タイムと平均競争タイムの差を数値化したもので、その差が大きいほど試走のわりに本番ではタイムが出ない選手といえます。
さばきが重要となる冬では、試走に加えて偏差もあわせて予想に組み入れてください。
春の走路では走路温度の変化に注意


春は走路温度の変化を注視しよう!
寒い冬からだんだんと暖かくなる春。
冬の重ハンデ有利な高速戦から、軽ハンデ有利への移行期間ともいえます。
走路温度50℃を超えると熱走路といいましたが、走路温度の確認がより重要になります。
試走タイムの確認は通常レース単位での選手間の比較となりますが、序盤のレースと後半のレースの比較も大事です。
同じ格付けの選手なのに試走タイムに差が出てくるようであれば、そろそろ気温の変化がタイムに影響してくるなと判断するわけです。
また、梅雨の時期は湿走路が多くなりがちなので雨巧者が有利な走路が多くなります。
秋の走路では意外に雨が多い


意外に多い秋の長雨
秋のレースは基本的に春と逆の考え方です。
走路温度の低下とともに、追い込みが有利になる傾向を春と逆の形で推移を追ってください。
そして秋のレースでの意外な盲点は雨です。
6月の梅雨の時期に雨が多いことは当然ですが、秋の長雨はわりと見逃されがちです。
良走路で好調だった選手が、雨に見舞われるとどうなるか?
雨走路については、次で詳しく解説します。
湿走路には雨に強い「雨巧者」を優先


雨の湿走路では雨巧者をいかに見極めるかが重要!
それでは雨について。
競馬でも「重馬場」という表現があります。
また、競輪も雨に多少左右されます。
ボートレースは…
多少視界が悪くなる程度ですかね。
そんな中、オートレースは公営ギャンブルの中でも最も着順が天候に左右される競技です。
順を追って、オートレースと雨について説明していきます。
オートレースでも普通の良走路に対して「湿走路」という表現があります。
一部オールドファンの中には濡走路という方もいるようです。
良走路 | コンディション良好 |
---|---|
斑(ブチ)走路 | 所々濡れている走路 |
湿走路 | 雨で濡れた走路 |

濡れた走路なんて、滑って走りづらそうだな
選手たちもファンと同じ気持ちです。
慎重に走るので雨だから事故が多いということはありません。
当然ながら、タイムも遅くなります。
それでも中には、雨の滑る走路が良走路よりも得意だという選手もいます。
雨に強い選手は「雨巧者」
オートレース業界では、そんな選手を「雨巧者」と呼んでいます。
なぜ雨で強いのか?
まず雨の湿走路では、良走路のようにタイヤを少し滑らせてスライドさせる走行ができません。
雨に強い選手の大半がグリップ走行が得意です。
グリップ走行とは、タイヤを滑る寸前の極限までグリップさせながら走行する運転方法で、アクセルワークが丁寧で上手な選手ということになります。
逆に良走路で無双なのに雨になるとからきしという選手は、スライド走行に特化している場合が多いです。
雨巧者の見極めは、ベテランだからとかランキング上位だからといったものとは関係なく選手の特性です。
また、雨に得意なその好不調はわりと変化します。
最近では、公式サイトの選手の個人プロフィール欄を見るとすぐにわかります。
例えば、雨巧者の代表格といえば、川口の「加賀谷建明 」選手です。
雨の湿走路しかないSGがあったとしたら優勝候補筆頭ではないでしょうか?
それほど加賀谷選手は雨に強い選手です。
公式サイトの加賀谷選手の特徴を見てみましょう。

雨巧者が★5つの満点。
実際は★5でも足りないほどの雨巧者です。
逆に、S級上位の常連、伊勢崎の「早川清太郎」選手は雨が苦手な代表格です。

独走力や追い込み力が★5つなのに、雨巧者欄が★3つになっています。
早川選手が雨の湿走路が苦手なのはオートファンならほぼすべての人が知っているので雨の日は買われません。
しかし、すべての選手を過去に雨が強い・雨が弱いという印象だけで判断してしまうと危険です。
何故なら、元々実力がある選手はレース展開や湿走路の状況によっては勝つことも多いからです。
先頭付近で抜けなくて前が詰まっている場合などは後ろから抜ける確率が高まります。
また、レース場によっては乾きかけの湿走路で何本か抜ける道ができている場合なども注意が必要です。
しかも、雨の得意不得意は日々変化している場合があることを頭に入れておきましょう。
雨巧者は近況の成績から算出して自分で調べることができる
公式サイトや予想サイトでは、雨が苦手な選手なのかすぐわかるようになっています。
しかし、その資料は1年前からの雨の平均タイムなどを参考にしていることが多く、古い場合もあるのです。
雨が苦手な選手の日々変化しているサインは、指標から簡単に見分けることができます。
過去の近況成績から算出すると雨の得意不得意が一目瞭然です。
一部の投票サイトでもまとめてあるのですが、自分でも簡単に調べられます。
具体的に説明すると、公式サイトの個人プロフィール欄の「検索状況を変更する」から、期間と走路状況を変更することですぐに判明するのです。
走路状況を「良・斑・湿」の良と湿で比べてみてください。
また、オートレース専門紙や一部の投票サイトだと、走路状態別の成績がまとめられています。
良走路での連対率、湿走路での連対率、そしてできればそれぞれ過去何レース分のデータなのかを知ると予想の精度が高くなるのです。
例を出すと、浜松の「鈴木宏和」選手などは、以前は湿走路が苦手でしたが最近の成績は良走路と遜色なくなってきました。
そういった直近の雨の湿走路データを地道に探すと、思わぬ大穴をゲットできたりするのです。
また、新人の2級車は1級車とは別の外のコースを走るので、うまくハマればそのまま逃げるってことも晴れよりも雨のほうが多いです。
湿走路は良走路と予想が違うので注意


オートレースは他の競技と印のつけ方が違う!
投票サイトや予想紙では、過去のデータを元に良走路と湿走路の予想を分けています。
投票サイトの番組表やオートレース専門紙でしたらきちんと別枠になっているのですが、これがスポーツ新聞ですとちょっと注意してください。
レイアウトの都合で良走路の予想と湿走路の予想が単に上下段にしか分類されていません。
上の印が雨で、下の印が晴れという具合です。
本命選手の上に◎印が2つ打たれている場合、競馬では「A記者とB記者二人の◎」という意味ですが、オートレースの場合ですと「雨でも晴れでも◎」という意味です。
よって◎印が割れている場合は、「実力伯仲」ではなく「雨が降ると不安」だと解釈します。
ちょっと細かいですが、知らないと意味が全く異なる予想になるのでご注意ください。
湿走路でのハンデには上手い下手は考慮されていない


湿走路はどんなにオッズが安くても 雨巧者から買うべき!
「ハンデ位置は良走路の成績を元に決められていて、湿走路の得手不得手は考慮されていない」
湿走路において最大のポイントは、これに尽きます。
弱い選手が前で強い選手がうしろ。
これがオートレースのハンデ戦の基本です。
しかし、この大原則が湿走路だと崩れる場合が大いにあるのです。
雨が得意で試走も速い、こんな選手が軽ハンデにいて、試走が遅い選手がうしろにいたらどうなるか。
さらに湿走路だと、スタートで出遅れても外めを使ってわりと簡単に巻き返せます。
要するにうしろが勝てるわけがありません。
よって雨の時はランキングやスタート力は二の次にして、試走タイムと過去の湿走路データを元に予想を組み立ててるのが的中させる近道になります。
試走後の急な「土砂降り」は千載一遇のチャンス!?


試走後の雨は一攫千金のチャンス!?
さて、これまで良走路と湿走路と区分してお話しました。
それでも実際天気って、いつもハッキリしているわけではありませんよね。
試走終了後、車券発売中に雨が降ったらどうなるか?
レース場は走路状況が変化すると公式発表してくれます。
小降りで走路に影響がでなければ、良走路発表のままです。
レース場のバンクは一般よりも水はけが良いというのもありますので、実際のレースでも小降りで展開が大きく変わることはありません。
ただ公式発表で湿走路に変化するほどの土砂降りの雨だったら…。
こうなると良走路だった試走を元にした予想はできなくなります。
なお突然の雨でも湿走路で試走をやり直すことはありません。
ちなみに良走路では、試走タイムよりレースタイムが速いといった矛盾が生じたら「タイムアップ」という罰則規定があります。
3着以内に入着し、雨天等走路状況の変化又は相当の理由がなかったにもかかわらず、競走タイムが試走タイムより良かった場合は、その節及び次節のあっせん停止。
しかし、突然の雨による湿走路ではこのタイムアップの罰則規定はありません。
突然の雨は車券を買う前なら大チャンス
試走が終わった後の突然の雨は選手にとっては大変です。
しかし、もし車券を購入する前であるなら、ちょっとしたチャンスな瞬間になります。
何故なら、良走路の試走で買った車券はゴミくずになる可能性が高いからです。
初めから雨だったら普通に雨巧者が売れています。
しかし、現状は雨だったら投票してないであろう車券が、既にたくさん買われているのです。
そうなると、オッズの旨みがでてきます。
突然の雨は雨巧者をいつもより多めに買ってみるべき
締め切り間際になればなるほど大チャンス。
ゴミくずになるであろう投票が多いほど旨味は増してくるからです。
すなわち、雨巧者や雨予想の上位を買うとオッズ的にもお得になるのです。
締め切り間際の突然の雨は、滅多にないことなので、普段より多めに雨巧者や雨予想の上位者に賭けてみましょう!
もちろん過信は禁物。
湿走路が不得意な選手を切るのはある程度有効ですが、突然の雨でも斑(ブチ)走路程度なら湿走路が得意な選手が必ず勝つかはちょっと微妙になることもあるからです。
但し、太めに勝負するチャンスなので頭に入れておいてください。
突然の雨は雨用タイヤではないので注意
オートレースのタイヤは、良走路でも湿走路でも素材的には一緒です
選手は、タイヤを削ったり当たりつけをする際に、地面との接地面積の調整でもって晴雨タイヤを使い分けています。
試走終了後にタイヤを変えることはありませんので、仮に湿走路が得意な選手がいても突然の雨は普段と勝手が違うのです。
基本的には雨に強い選手が断然有利なのは変わりませんが、そのことも頭に入れておきましょう。
突然の湿走路以外にも、「ブチ走路」と呼ばれる良走路と湿走路の中間の半乾き走路がありまして、こういう走路を得意とする選手もいます。
予想の際にはこれらの点を注意してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、オートレース初心者の方々に季節と天気を軸にして、オートレース予想の考え方について解説しました。
公営競技のなかでも唯一と言っていいほぼ、天候が大事な競技です。
走路コンディションを考えながら予想を考えてその予想が的中すると、よりオートレースが楽しくなるはずです。
皆さまの参考になれば幸いです。
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