オートレースの勝ち上がり条件は、競輪や競艇と比べても少し複雑です。
というのも、グレードと開催レースによって計算方法が違うので、レース毎に考え方を変えなければいけないからです。
一見勝ち上がりを車券購入側が覚えてもあまり意味がないように思えますが、ここぞという時に変わります。
勝ち上がりでは、「クリアしている選手は手を抜くのか?」「点数が足りない選手は全力で攻めるのか?」などの疑問が生じます。
この記事でわかること
- オートレースの勝ち上がり条件とは
- 勝ち上がりで知っておくべき情報
- 点数をクリアしたら選手は手を抜くのか?
専門用語では概定番組といい、公営競技では対戦選手の組み合わせの基準が設けられています。
オートレースでも同様で、開催中のレースでも勝ち上がりの条件は細かく決まっているのです。
この記事では、オートレースの開催中の勝ち上がりについての疑問が解消できるようになっています。
予選最終日は大勝負をしてくる日
オートレースの予選は、順位得点と、上がり100mのタイム順位を合計した得点で決まります。
上がり100mのタイム順位があるのはハンデスタートがあるので、純粋な着順だけでは実力が判断できないからです。
予選の中でも、普段の予想以上に波乱が生まれる日があります。
それが、予選最終日。
言い換えると、当選確率に差がつく日です。
なぜなら、準決勝や決勝に進出する点数が決定する日には、いろいろな選手が入り混じってレースをします。
- 1着や2着にならないと準決に行けない選手
- もう点数をクリアしている選手
- もう準決・決勝をあきらめている選手
ここを~着以内で準決勝・決勝進出という時は、多くの選手が大勝負をしてくるので、普段より極端な結果になる場合が多いです。
この勝ち上がり条件を知ることは、勝率をあげる手段のひとつになります。
普通開催(一般戦)の勝ち上がり条件
普通開催(一般戦)とグレードレースでは、勝ち上がり条件が若干違いますので、順番に説明していきます。
まずは、普段の普通開催の一般戦開催レースの勝ち上がり条件はこういった流れになります。
普通開催も、3日制から6日制があり、7車立てと8車立て、昼開催とナイターがそれぞれあります。
それぞれのレースで、勝ち上がりポイントは、ほぼ決まっています。
1レースごとに、8車立ての場合は1位8点2位7点と加算していくのです。
落車や反則に巻き込まれたりした場合は、救済措置があったりします。
公式サイトに掲載されているので参考にしてください。
ここでは、一般的な勝ち上がりの流れを説明します。
基本的に初日は丸ごと予選です。
普通に1位を目指していきます。
開催日程にもよりますが、初日、2日目などマシンの調子をあげながら調整を行い、徐々に準決勝や決勝に備えます。
そして2日目から開催日程次第ではありますが、獲得した得点の順位によってレースが振り分けられていきます。
振り分けそのものは単純です。
1着は何も考えることなく勝ち上がり、2着以降はそれまで獲得した得点の上位から次に進める可能性があるレースに振り分けられていきます。
予選が3日開催のレースであれば、2日目から準決勝A.Bに振り分けられます。
5日開催であれば2日目は二次予選A.B.Cとなり、3日目に準々決勝A.Bとなり、4日目に準決勝になります。
この際、得点が同点だった場合には、基本的に車番が後ろの選手が優先されます。
なぜなら、後方選手はハンデも大きいので、同点でも後ろの車番選手の方が不利な状況を勝ち上がってきたと判断されるからです。
準決勝までが得点における振り分けになり、準決勝からは純粋に着順で決まります。
8車立ての準決勝は単純に、そのレースでの1.2着が勝ち上がりになります。
7車レースの場合、準決勝B(9R)で1着を取った選手1名と、準決勝A(10R~12R)で1.2着だった選手6名が優勝戦進出です。
日程とレースが何車で行われるかによりますが、基本は予選までが得点計算で勝ち上がり、準決勝からは順位のみで勝ち上がると思ってください。
つまり、準決勝は3着では意味がありません。
全公営競技でいえることですがここが大競りのポイントであり、普段より着順の入れ替わりは激しくなります。
3着以下になっても最終日は賞金は高いので注目
決勝に残れない準決勝の3着以下は、最終日の選抜戦に出場することに。
選抜戦も、特別一般選<抜戦戦<特別選抜戦など着順によって賞金の違うレースに振り分けられます。
特別戦も、一般戦のレースより着順による賞金が高めに設定されているのです。
最終日に、たとえ前日に3着以下になった選手も、今日で帰れる有終の美を飾るために全力を出します。
結果として、きちんと実力通りの展開になることが多いです。
グレードレース・記念競走・SG競争の勝ち上がり条件
SGなどグレードレースや記念特別のレースも、得点を主軸にすること自体は同じなのですが、開催レースによって得点の計算方法が違います。
勝ち上がりの条件から違うこともあり、こちらは開催毎に条件をチェックするしかありません。
あらかじめ、公式サイトには勝ち上がりの条件が掲載されています。
面倒な人は、YouTube動画や投票サイトなどに、必ず勝ち上がり条件などの概定番組が掲載されていたりするのでチェックしてみてください。
上で紹介した一般戦とグレードレースでは、得点上位が勝ち上がること自体は変わりません。
全ての公営競技でいえることですが予選最終日というのは、全選手がギリギリの勝負をします。
勝負駆け情報は必ず頭に入れておくべき
勝負駆け情報とは、勝ち上がり条件を突破できる点数のことです。
基本的に公営競技は、解説で勝負駆け情報を教えてくれます。
例えば、予選最終日、1位しか突破できない最重ハンデのS級上位選手は、スタートから前を追うしかありません。
また、2位までだと残れる軽ハンデの選手は、必死で逃げます。
ネット投票でレース動画を見ている場合、予想と同時に解説者は勝負駆け情報を解説してくれますので参考にして下さい。
大体は何着以内であれば準決勝進出と分かりやすく解説してくれています。
また公式サイトには、獲得点数が掲載されているので自分で計算する必要はありません。
予選を通過できるレーサーは手を抜くのか?
ファンの中でも意見は分かれる話題です。
オートレーサーは常に1着を狙っています。
事実、現在2トップの2人、青山周平選手と鈴木圭一郎選手は、常にすべて一位の完全優勝を狙っています。
トップレーサーの中でも、常に全力で走るタイプと、予選を通過できるとわかると、準決勝や決勝に向けタイヤやエンジン調整を優先する選手がいるのも事実です。
トップ選手のひとり永井選手などは、あまり無理をせずドライブをするのでファンの中では有名な選手です。
タイヤや調整をメインにしているのかもしれませんが…。
また、勝ち上がりが決まっている重ハンデの選手の場合は、前や同列に勝負駆け選手がいるときなどあまり無理をしない傾向があると思っています。
無理をして上位を目指すリスクを冒して、落車など最悪なことも想定しているのかもしれません。
それは、選手が教えてくれる情報ではないので深読みするしかないです。
勝ち上がり確定選手はチェックしておく
不確実な情報なので、絶対手を抜くとか着順に絡まないとかはないですが、勝ち上がり確定の選手はそうなることが往々にして多いのも事実です。
既に準決勝確定の勝ち上がり確定の得点選手はレース前にわかっているのでチェックしてみてください。
本命印◎が付いていても疑ってかかることもありです。
勿論、オートレースは試走より遅いと罰則を受ける可能性があるので、あからさまな手抜きはありません。
しかし、勝負駆けの選手と出場確定の選手では、攻める状況が違うのです。
まとめ
色々表現はありますが、この手の勝負駆け状態で普段より強くなる選手、つまりここぞという時は外さないという選手は、事実として存在しています。
元々強い選手という前提はありますが、スターといわれる選手はこの勝負駆けが強いのです。
また、次期スター候補といわれる若手レーサーも徐々にそういった状況で強くなっていきます。
逆に、普段は安定して勝つのに、決勝戦や最終戦・準決勝の勝負所だけ負けてしまうという傾向がある選手もいて、ここが予想に反映する・しないの意見が分かれる理由でもあります。
最終的には選手次第ではありますが、多くの選手は勝負所には思いきってきます。
勝てるところを勝てない選手はどうしても成績が残し辛いので、最終的には生き残れないからです。
勝ち上がり条件は覚えておくと勝率にも関係してくる情報です。
最低でも2つのことを覚えておいてください。
- 予選の勝ち上がり条件
- 準決勝の勝ち上がりは2位まで
最初は気にするだけでも、予想する観点が違ってくるはずです。
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